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2016-07-22

自分の過ごす空間

ペットは昆虫が好きなwoodfan赤塚です。

ここ何年かは息子がカブトムシの幼虫を育てて成虫にしてます。

そのおかげで、毎日家に帰ると誰よりも先に玄関にいるカブトムシが

僕をお迎えしてくれているので、なんだか虫という以上のかけがえのない

存在になっています。

カブトムシは夜に活動するので、僕が家に帰る時間はケースの中を歩き回ったり、

留まり木によじ登って月夜をにらんでいたりするので、毎日「今日も元気か!?」と

話しかけては背中を撫でたりしてます。

朝は出勤前に覗くと、布団を頭から被るように土の中に頭から突っ込んでもぐって

いるので、わが子の寝相のように微笑ましいです。

カブトムシはおしっこをたくさんするので、大きなケースにキレイなマットを一杯

敷き詰めて居心地のいい空間にしてやりたいと気持ちがわいてきます。

しかし、これ以上ケースを買ってくるなという内圧もあり人生ままならないなと

カブトムシと語り合っては激しく同意したりするのでした。

さてさて、居心地のいい空間は昆虫だけでなく人間にとっても大切だと思います。

朝から晩まで働いて家に帰り、明日への英気を養うくつろぎの空間。

朝も夜もなく家族のために働き、子供たちや親御さんと過ごし、束の間の

休息を楽しむプライベートな時間を過ごす空間。

これからの人生を強く生きて行くために毎日成長する空間。

家族それぞれに思い思いに時を過ごす場所。

それはどんな物につつまれているでしょうか。

好きな人のポスターやキレイな景色の写真、何かのキャラクターの人形や趣味の道具。

家具や照明機器、カーテンやAV機器。

そして足の裏や素肌が触れる床や、毎日目に入る壁や天井。

様々な物がそれぞれの意味を持ち存在していると思います。

建築に携わる仕事柄、多くの方のお住まいも見せて頂きますがホントに人それぞれ

こだわりや、嗜好の違いを感じます。

昔、お世話になっていた建築会社の会長様にふと言われた言葉が今も忘れられない

のですが、会長様曰く、「家は贅沢品であり、家を建てる事が趣味なのだ。」と

仰られました。

僕は意味が分らず「趣味ですか?家。必要品と違いますか?」と尋ねたら

「どんな図体のデカイ奴でも風呂、キッチン付の6帖間のアパートで生きていける。

なんで使わん部屋があるデカイ家がいる?家族が多くても、それに見合う安い

マンションもある。何十年もローンを払うという事の大変さがわかるか?

人生を掛けた趣味、贅沢が家や。

そのわりには、あんまり研究せんと人任せで建てる人がいる。モッタイない。

それでも家が欲しいなら、何年も研究して材料はこれを使え、こういう

風に作れと言えるくらい考え悩むのがホンマとちがうか?

贅沢がアカンとは言わんけど、金のかかる趣味なんやで。」

今もその時の言葉は僕の耳に焼き付いて離れません。

自分の過ごしたい場所、使いたい材料、デザイン。

趣味かもしれないと思う事があります。

自分の過ごす空間