ロシア赤松サーモウッド
ロシア赤松サーモウッドどんな木か。
もともとロシア赤松は白から赤みのある木でヤニを含む松の木です。
木材としてはおとなしく建築用に向いていて粘りが適度にある。
欠点としては生材の時(丸太から製材されて未乾燥な状態)はカビが生えやすく
すぐに青いカビに覆われるので、製材した後にはかび止め剤に漬け浸透させます。
表情としては松らしい木目の美しい木で、節のないものは化粧材にも使えます。
地域は違いますが北欧地域の赤松はフローリングやパネリングに使う羽目板など
にもよく使われています。
木材屋からすると同じ赤松でも生育地域の違いからか、北欧の赤松とロシアの赤松
では木の表情から少し違う木に見えます。
質感もロシア赤松のほうがヤニっぽく重厚に思います。
そんな赤松を高温の水蒸気で乾燥させ、さらに高温のスチームで焼き上げた木が
サーモウッドにまります。
なぜ蒸気で焼くのか?
火で木を焼いた場合は炭化して表面から焦げていき最終的には灰になりますが
蒸気で焼くと特殊な装置内において無酸素状態で焼くため火が出ずに炭化しません。
そうして木材内部まで熱処理を加えることが出来てサーモウッドが出来上がります。
なぜサーモウッドにするのか?
木材はそのままの状態においては使用上様々な不都合があります。
例えば、反りや狂い、寸法の不安定、腐りやカビ、など自然素材ならではの当然の
性能です。しかし、建築などに使用する場合いかに不都合な性能を理解しつつ
上手く使うかという事が課題になりますが、そんな課題をクリアする為に
サーモウッド処理を行ないます。
ではサーモウッドされた木の特徴、性能を見ていきましょう。
まず最初はその色です。何年も経過したような古材のような色合いで木材の
表面から木材内部まで濃い茶褐色が浸透しているのが特徴です。
これが、サーモ処理後の木材表面。
そして、これが表面を削り取った木材の表面。
このヤニっぽさを含みながら松らしい表情に茶褐色の色を湛えた色合いが特徴です。