サーモウッド ロシア赤松
サーモウッド ロシア赤松を外装材として使う理由とは。
まず色ですが、表面だけでなく木材の中まで同じ色で、古い木材
の様な、深みのあるチョコレート色が塗装された風合いではなく
ずっとそこで年月に耐えてきたような奥行きのある存在感を表します。
これはロシア赤松の持つヤニの光沢が、サーモ処理をかける事により
パサついた色ではなく深みのある色へと変化させます。
油気のない木をサーモ処理すると、カサカサとした乾燥しきったような
色合いになる事もありますが、油気がコクのある色を出す事により、どこか
安心するような風合いになります。
古い町屋や神社仏閣の様に、長い年月を経た木材が持つどこか人の心を癒すような
安心する様な色合い。
塗装の真新しい茶色ではない、落ち着いたこげ茶色、チョコレート色は
ずっと前から目にしていたかの様な自然な落ち着きです。
何十年も経ち変化した木の塀の木材の様な感じがします。
個人的にですが、私は古い町屋や木の塀などを見ると、すごく安心します。
近年は京町屋を改修したレストランやカフェが多くありますが、ついつい
入りたくなるのはなぜなのかと考えてみると、この建物の中は安全で、居心地
が良く、ほっとしたり、落ち着いたり、くつろげるという様な直感が沸くのでは
ないか。それは、古い木材を通す事により「時間の経過」という目に見えない現象を
実感できるからではないか。そして、その結果として古い建物や構成する物質に
対し、畏敬の念を抱いたり、安心を感じるのではないかと考えます。
鉄は古く錆たり朽ちたりすると弱さや脆さを感じるのに対し、木材は年月が経って
いるからこそ感じられる安らぎがあるのではないか。
そんなふうに考えていると、これは昔から日本人の心にDNAの様に根付く感情
ではないかという気がしました。
サーモウッドロシア赤松に表現できる、安心、やすらぎ、は一つの性能だと思います。